合宿に参加して

旭川支部東光道場 1級 児玉忠男   

 

思えば、極真空手の夏合宿は、昭和51年(39年前、26歳、九十九里一宮町)、昭和60年(30年前、35歳、えりも町)に参加して以来の事となります。

 当時は、大山総裁も御存命であり、映画「地上最強の空手」や少年マガジン「空手バカ一代」が大ヒットし、空前の空手ブームが起こり、合宿には“強くなりたい”という若者が集まり、そうした熱気と夏の暑さでギラギラしておりました。

 時代が変わり、少年部(女子部)のチビッ子達が大勢いるのにはビックリしました。又、皆元気で動きの良いのには二度ビックリしました。底辺の拡大と普及の為には良い事だと思います。

 若い時分には、疲れなど感じず“燃える元気”と“みなぎる体力”があったのですが、さすがにこの年になると、参加する前から不安と心配がよぎり、ついて行けるかどうか、皆様に迷惑をかえやしないかと年甲斐もなく緊張しました。

 最初の基本稽古から汗びっしょり、息フーフー、この先大丈夫かと心配になりました。屋外、砂浜と違って、息苦しく暑く感じました。

 引き続きの帯ごとの移動と型、移動も3往復すると息フーフー、こんなに息が上がるものかと思いました。型も連続して行うと、一つ一つの技が決まらず、ただ流しているだけの様な、これでは駄目だと思いました。

 最終日の師範稽古、ミットと組手、速く強く近く、3発4発5発と思っても、この老体は思う様に反応してくれません。後で原先生に「児玉さん、組手でいつ倒れるか心配した」と言われましたが、私も心配でした。少しのインターバルと水分補給があったので、何とか持ちこたえる事が出来ました。

 最後の500本蹴りと1000本突きは、初めての経験でしたが、自分でも「まだやれる」「大丈夫」と言う自信がつきました。

 大体65にもなって空手をやったり、合宿に参加する人も少ないと思いますが、私は少しでも、1%でも空手がやりたい、出来る、大丈夫と言う気持ちがあれば肉体は老いてもやれるのではないかと信じております。これだけ気合を込めて、燃えて、それが出来る精神と肉体に感謝します。

 昨年10月、旭川市民文化会館に三浦雄一郎氏の講演会を聞きに行きました。「諦めない一歩ずつ、オンリーワンを目指せ」と三浦氏が言っていました。
 エベレストに「登ってみたい」「登ってみよう」「登れる」、諦めなければ夢は叶う、夢の力、気の力と、心房細動を克服して、80歳でエベレストに挑戦して登頂に成功した三浦氏の様に、私も努力して頑張りたいと思います。

 合宿期間中、限られた時間ではありますが、大変中身の濃い、有意義な稽古と時間を過ごさせて頂き、又、ご指導くださいました師範、各先生方、先輩の皆様に感謝し、御礼申し上げます。有難う御座いました。                     押忍。

                         

                  




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